個人面談は、保護者と1対1でじっくり話せる貴重な機会です。しかし「何を話せばいいのか」「気まずい沈黙ができたらどうしよう」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。個人面談は事前の準備で8割が決まります。
この記事では、個人面談の準備から当日の進め方、気になる子の保護者への伝え方まで具体的に解説します。保護者との信頼関係をさらに深めるためのノウハウを、ぜひ実践に活かしてください。

個人面談の準備
一人ひとりの資料を準備する
- 日頃の保育での子どもの様子(具体的なエピソード)
- 成長が見られた点、できるようになったこと
- 友だちとの関わり方
- 食事、午睡、排泄などの生活面の状況
- 気になる点がある場合は、事実を整理しておく
保護者に事前アンケートを取る
事前に「面談で聞きたいこと」を聞いておくと、保護者のニーズに合った面談ができます。「園での様子を知りたい」「家庭での困りごとを相談したい」など、保護者の関心事がわかれば準備がしやすくなります。
環境の準備
- 他の保護者や子どもに聞かれない個室を確保する
- リラックスできる雰囲気づくり(お茶を用意するなど)
- 時計を見える位置に置き、時間管理を意識する
面談当日の流れ(15〜20分の場合)
- 挨拶とアイスブレイク(2分):「お忙しい中ありがとうございます」と感謝を伝え、軽い雑談で緊張をほぐす
- 園での子どもの様子を伝える(5分):ポジティブなエピソードから始める
- 保護者の話を聴く(5分):家庭での様子、困っていること、聞きたいことを聴く
- 気になる点の共有(3分):あれば丁寧に伝える
- 今後の方針の共有(3分):園と家庭で協力していくことを確認する
- まとめと挨拶(2分):「一緒に見守っていきましょう」と締めくくる
- ポジティブな話題から始めて、保護者の安心感を作る
- 保育者が一方的に話しすぎない。保護者の話を聴く時間を多めに取る
- メモを取りながら聴くと「しっかり聴いてくれている」という印象を与える
- 時間を守る。次の保護者が待っている場合は特に注意

気になる点を伝えるときのコツ
発達の気になる点や問題行動について伝えるのは、最も難しい場面です。
サンドイッチ話法を使う
ポジティブ→気になる点→ポジティブの順で伝える方法です。「○○がとても上手にできるようになりました。一方で、△△の場面では少し気になることがあります。でも、全体的にとても成長していますよ」という流れです。
事実ベースで伝える
「落ち着きがない」という主観ではなく、「集まりの時間に座り続けるのが難しく、10分ほどで立ち上がることが多いです」と具体的な事実で伝えましょう。
保護者を責めない
「家庭でのしつけが…」と保護者を責めるような言い方は絶対にNGです。「園と家庭で一緒に見守っていきましょう」と、パートナーシップの姿勢を示しましょう。以下の記事でさらに詳しく紹介しています。

専門機関の紹介は慎重に
発達面で気になることがある場合、いきなり「専門機関に相談してみてください」と言うのは保護者にとって大きなショックになりえます。まず園での様子を丁寧に共有し、保護者自身が「相談してみようかな」と思えるよう、段階的に進めましょう。
面談で使える具体的な話題例
面談中に話題が尽きないよう、事前にいくつかの切り口を用意しておくと安心です。
園での成長エピソード:「先月はお友だちのおもちゃを黙って取ってしまうことがありましたが、最近は”かして”と言えるようになりました」のように、ビフォー・アフターで成長を伝えると、保護者は喜びます。
家庭での様子を聞く質問:「お家ではどんな遊びが好きですか?」「最近、何か新しいことに興味を持っていますか?」「夜はぐっすり眠れていますか?」など、答えやすい質問を3〜4個用意しておきましょう。子どもの全体像を把握するうえで、家庭の情報はとても貴重です。
今後の保育で大切にしたいこと:「これから○○に取り組んでいきたいと考えています。おうちでも○○をしていただけると、より効果的です」と、園と家庭の連携を具体的に提案すると、保護者は「一緒に育ててくれている」と感じます。以下の記事もあわせてチェックしてみてください。



なお、面談中はメモを取ることをおすすめしますが、保護者の目を見て話す時間を多めに取り、メモは要点だけに絞るのがコツです。ずっとメモを書いていると、保護者が話しにくくなることがあります。
面談後のフォロー
- 面談内容を記録に残す
- 保護者から相談があった内容について、その後の経過を報告する
- 面談で約束した対応策を実行する
- 次回の面談や日々の連絡帳で継続的にフォローする
面談後のフォローは、保護者の信頼を得るうえで極めて重要です。「面談で話したのに、その後何も変わらない」と感じさせてしまうと、次回の面談への参加意欲が下がり、園への信頼も損なわれます。面談から1〜2週間後にお迎え時などに「先日お話いただいた件ですが、園ではこのように対応しています」と一言報告するだけで、保護者は「ちゃんと気にかけてくれている」と感じます。面談記録はICTシステムや専用のファイルで管理し、担任が変わっても引き継げるようにしておくと、継続的な支援が途切れません。
- 面談で知った家庭の事情は守秘義務を厳守する
- 他の子どもとの比較は絶対にしない
- 保護者の話を否定せず、まずは受け止める姿勢を持つ


参考になる外部資料
よくある質問(Q&A)
Q. 面談で沈黙が続いたらどうすればいいですか?
「最近、お家ではどんな遊びをしていますか?」など、答えやすい質問を用意しておきましょう。沈黙は「考えている時間」でもあるので、焦って埋めようとせず、少し待ってみるのも大切です。
Q. 保護者が面談中に泣き出しました。どう対応すればいいですか?
ティッシュを渡し、落ち着くまで静かに待ちましょう。「お話しいただいてありがとうございます」と受け止め、共感を示すことが大切です。必要に応じて、面談時間を延長したり、後日改めて機会を設けましょう。詳しくは以下の記事で解説しています。



Q. 面談時間をオーバーしてしまいがちです。
事前にタイムスケジュールを決めておき、残り5分になったら「最後に何かありますか?」と切り出しましょう。話が長引く場合は「もう少しじっくりお話ししたいので、別途お時間を取りましょうか?」と提案します。
Q. 保護者から「他の子と比べてどうですか?」と聞かれました。
「お子さんはお子さんのペースで成長しています」と伝え、その子の過去と現在を比較した成長を具体的に話しましょう。他の子との比較は一切行いません。
Q. 新人ですが一人で面談を任されて不安です。
園長や主任に相談し、最初は同席してもらうよう依頼しましょう。一人で行う場合は、事前に話す内容を先輩にチェックしてもらい、面談後に振り返りをすると上達が早いです。
まとめ
個人面談は、保護者と1対1で向き合う貴重な時間です。事前の準備をしっかり行い、子どもの成長を共有しつつ、保護者の声に耳を傾けましょう。
「一緒にお子さんの成長を見守りましょう」というパートナーシップの姿勢が、保護者との信頼関係を深める鍵です。面談を通じて、園と家庭が一体となった保育を実現していきましょう。


