「基本給は安いけど、手当を含めたらそこそこもらっている」「そもそも自分がどんな手当をもらっているのか、よく分かっていない」――給与明細をじっくり見たことがないという方は、意外と多いのではないでしょうか。
実は、基本給だけを見て「少ない」と嘆いているのはもったいないかもしれません。手当を合わせると月額数万円〜十数万円のプラスになるケースもあります。逆に、知らないままだともらい損ねている手当があるかもしれません。
この記事では、国の制度・自治体独自の制度・園独自の手当の3つに分けて、もらえる手当を一覧で紹介します。自分が対象になっているのに受け取れていない手当がないか、ぜひ確認してみてください。

国の制度による手当
まずは国が制度として設けている手当を見ていきましょう。これらは園が適切に申請していれば、基本的に全員が対象になります。
処遇改善加算I
経験年数に応じて支給される手当です。勤続年数が長いほど金額がアップする仕組みで、園の全職員が対象になります。園全体の平均勤続年数で計算されるため、長く勤めている職員が多い園ほど総額が大きくなります。
処遇改善加算II
キャリアアップ研修を修了した職員に支給される手当です。
| 対象者 | 月額上乗せ | 条件 |
|---|---|---|
| 副主任保育士 | 最大4万円 | 経験年数概ね7年以上+研修修了 |
| 専門リーダー | 最大4万円 | 経験年数概ね7年以上+研修修了 |
| 職務分野別リーダー | 約5,000円 | 経験年数概ね3年以上+研修修了 |
月額最大4万円は年間48万円のインパクトです。対象になれる条件を満たしているのに申請していない方は、すぐに園に確認してください。
処遇改善加算III
比較的新しく追加された加算で、月額約9,000円が全職員に上乗せされます。園がきちんと申請していれば自動的に対象になるので、給与明細でこの加算が含まれているか確認しておきましょう。

自治体独自の手当・補助
国の制度に加えて、自治体が独自に支給している手当や補助もあります。住んでいる地域・働いている地域によって内容が大きく異なるため、自分の自治体のサイトを必ず確認してください。
家賃補助(借り上げ社宅制度)
東京都を中心に多くの自治体で実施されています。月額最大8万2千円が補助される制度で、一人暮らしの方にとっては非常に大きな支援です。年間にすると約100万円のインパクトがあります。
ただし、この制度は年々対象者の要件が変わっている自治体もあるため、最新情報の確認が欠かせません。
就職準備金
就職する際に一時金として最大40万円が支給される制度です。新卒だけでなく、ブランクから復帰する場合にも対象になることがあります。知らずに申請を逃している方も多い制度です。
奨学金返済支援
一部の自治体では、奨学金の返済を補助する制度を設けています。該当する方は自治体の福祉課に問い合わせてみてください。
園独自の手当
園が独自に設けている手当も見逃せません。以下は代表的なものです。
| 手当の種類 | 内容 | 金額目安 |
|---|---|---|
| 資格手当 | 幼稚園教諭免許などの追加資格に対して支給 | 月3,000〜10,000円 |
| 役職手当 | 主任やリーダーに対して支給 | 月5,000〜30,000円 |
| 通勤手当 | 交通費の支給 | 実費〜月20,000円上限 |
| 住宅手当 | 家賃補助とは別に園が独自に支給 | 月5,000〜20,000円 |
| 扶養手当 | 家族がいる場合に支給 | 月3,000〜15,000円 |
| 特殊業務手当 | 行事の担当などで支給 | 月3,000〜10,000円 |
転職する際は月給の額面だけでなく、手当込みの総額で比較することが重要です。基本給が低くても手当が充実している園のほうが、年収ベースでは上回るケースもあります。

手当をもらい損ねないためのチェックリスト
以下のチェックリストを参考に、今すぐ確認してみてください。
- 給与明細の内訳をすべて確認する
- 処遇改善加算I・II・IIIが給与に反映されているか園に確認する
- 自治体の福祉課のサイトで利用可能な補助制度を調べる
- 家賃補助の対象になっていないか確認する
- キャリアアップ研修の修了証を園に提出しているか確認する
- 転職時は基本給だけでなく手当込みの総額で比較する
内閣府の子ども・子育て支援新制度で処遇改善の詳細を確認できます。
よくある質問(Q&A)
Q. パートでも手当はもらえますか?
A. 処遇改善加算はパートも対象になりうる制度ですが、配分方法は園の裁量に委ねられています。パートだからという理由で対象外にされている場合は、園に確認してみましょう。
Q. 処遇改善加算が給与に反映されているか、どうやって確認すればいいですか?
A. 給与明細に「処遇改善手当」や「改善加算」などの項目で記載されている場合が多いです。項目が見当たらない場合は、基本給に含まれている可能性もあるため、事務担当者に確認してください。
Q. 家賃補助と住宅手当は両方もらえますか?
A. 自治体の家賃補助(借り上げ社宅制度)と園独自の住宅手当の両方が適用されるケースもありますが、制度によっては併用不可の場合もあります。詳しくは園と自治体の両方に確認が必要です。
Q. 就職準備金はどうやって申請するのですか?
A. 自治体の福祉課やハローワークで申請できるケースが多いです。必要書類や申請期限は自治体によって異なるため、早めに確認しておくことをおすすめします。
Q. 手当の交渉は面接でしても大丈夫ですか?
A. まったく問題ありません。むしろ、手当の内容を確認せずに入職するほうがリスクです。面接時に「手当込みの総支給額」を確認しておきましょう。
まとめ:手当を知るだけで実質年収が変わる
- 処遇改善加算I・II・IIIの3種類を把握する
- キャリアアップ研修の修了で月額最大4万円アップ
- 家賃補助は年間約100万円のインパクト
- 園独自の手当(資格手当・役職手当・住宅手当等)も見逃さない
- 転職時は手当込みの総額で比較する
処遇改善加算・家賃補助・園独自の手当を全部合わせると、基本給プラス数万円〜十数万円になることもあります。まずは給与明細を開いて、自分がもらえる手当を確認するところから始めてみてください。条件の良い園を探すなら保育士ワーカーがおすすめです。こども家庭庁の最新情報もチェックしてみてください。


