「うちの園のボーナスって、世間的に見て多いの?少ないの?」「公立と私立でそんなに差があるって本当?」――ボーナスの話は同僚にも聞きにくいだけに、モヤモヤを抱えている方は多いはずです。
実は保育士のボーナスは、公立か私立かで大きな差があるのが実情です。さらに、園の規模や経営状態によっても支給額はバラバラで、「保育士のボーナスは○○万円」と一概には言えません。
この記事では、保育士のボーナスの平均額を公立・私立別に比較し、支給時期や増やすためのコツまで詳しく解説します。

保育士のボーナス平均額
まずは全体像を把握しましょう。厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとにした保育士のボーナス(年間賞与)の平均額を確認します。
全体の平均
保育士全体の年間ボーナスの平均額はおよそ85万円です。これを夏と冬の2回で割ると、1回あたりおよそ42万円になります。ただしこれは公立と私立を合算した数字なので、実際の感覚とはズレがあるかもしれません。
手取りの目安
ボーナスからも社会保険料と所得税が差し引かれます。額面37万円の場合、手取りはおよそ30万円前後になるのが一般的です。
公立保育園と私立保育園のボーナス比較
ボーナスの差が最も大きく出るのが、公立と私立の違いです。
公立保育園のボーナス
公立保育園の保育士は地方公務員なので、ボーナスは基本給の約4.65か月分が年間で支給されます。基本給が25万円の場合、年間ボーナスはおよそ112万円になります。勤続年数に応じて基本給が上がるため、ベテランになるほどボーナスも増えていきます。
私立保育園のボーナス
私立保育園のボーナスは園によって大きく異なります。一般的には基本給の2〜4か月分で、年間で約50万〜80万円が相場です。経営状態の良い大手法人では公立に近い水準を出しているところもありますが、小規模な園では基本給1か月分程度にとどまるケースもあります。
公立と私立の比較表
| 項目 | 公立保育園 | 私立保育園 |
|---|---|---|
| 年間支給月数 | 約4.65か月分 | 約2〜4か月分 |
| 年間ボーナスの目安 | 約100万〜150万円 | 約50万〜80万円 |
| 支給の安定性 | 安定(条例に基づく) | 園の経営状態に左右される |
| 勤続年数による増加 | 定期昇給に連動して増加 | 園により差が大きい |

ボーナスの支給時期と回数
保育士のボーナスはいつ、何回もらえるのでしょうか。
一般的な支給時期
- 夏のボーナス:6月〜7月に支給されることが多い
- 冬のボーナス:12月に支給されることが多い
- 年度末手当:3月に追加支給する園もある(園による)
新卒1年目のボーナス
新卒1年目は、夏のボーナスが満額支給されないケースがほとんどです。4月入職の場合、夏のボーナスは基本給の0.5〜1か月分程度にとどまることが多く、初年度の年間ボーナスは約30万〜50万円が目安です。冬のボーナスからは通常の支給額になる園が多いです。
ボーナスが少ない・出ない場合の原因
「ボーナスが少ない」「そもそも出ない」という場合には、いくつかの原因が考えられます。
園の経営状態が厳しい
私立保育園のボーナスは経営状態に左右されます。園児数の減少や大規模修繕の費用がかさむと、ボーナスが減額されることがあります。
就業規則にボーナスの規定がない
法律上、ボーナスの支払いは義務ではありません。就業規則に「賞与を支給する」と明記されていなければ、支給されなくても違法ではありません。入職前に就業規則を確認しておくことが大切です。
パート・派遣の場合
パートや派遣保育士にはボーナスが支給されないのが一般的です。一部の園ではパートにも寸志として支給するところもありますが、期待しない方が無難です。
求人票に「賞与あり」と書いてあっても、金額が「業績による」とされているケースがあります。面接時に「実績として昨年度はどのくらい出ましたか?」と具体的に確認しましょう。
ボーナスを増やすための方法
ボーナスの金額を自分の努力で上げる方法はあるのでしょうか。
基本給を上げる
ボーナスは基本給に連動するケースが多いため、基本給が上がればボーナスも自動的に増える仕組みです。キャリアアップ研修の受講や管理職への昇格で基本給アップを目指しましょう。
ボーナス水準の高い園に転職する
ボーナスの支給月数は園によって大きく異なります。転職時には「賞与実績」を必ず確認し、年間支給月数が3か月以上の園を目安に探すと良いでしょう。
公立保育園を目指す
最もボーナスが安定して高いのは公立保育園です。公務員試験の合格が必要ですが、年齢制限内であれば挑戦する価値は十分にあります。
評価制度がある園を選ぶ
人事評価制度を導入している園では、評価結果がボーナスに反映されることがあります。がんばった分が報われる仕組みがある園を選ぶのも一つの方法です。

経験年数別のボーナス推移
経験を積むにつれて、ボーナスがどのように変化するかを見ていきましょう。
| 経験年数 | 年間ボーナスの目安(公立) | 年間ボーナスの目安(私立) |
|---|---|---|
| 1〜3年目 | 約70万〜90万円 | 約30万〜50万円 |
| 5〜9年目 | 約100万〜120万円 | 約50万〜70万円 |
| 10〜14年目 | 約120万〜140万円 | 約60万〜80万円 |
| 15年以上 | 約140万〜160万円 | 約70万〜100万円 |
公立では勤続年数に応じた定期昇給が基本給に反映され、それに連動してボーナスも増加します。私立では昇給幅が小さい園もあるため、転職によるリセットも視野に入れることが大切です。
Q&A|保育士のボーナスに関するよくある質問
Q. 産休・育休中のボーナスはもらえますか?
園の就業規則によります。在籍している限りボーナスが支給される園もあれば、勤務実績がない期間は対象外とする園もあります。産休・育休取得前に確認しておきましょう。
Q. 退職予定がある場合、ボーナスはもらえますか?
ボーナスの支給日に在籍していれば、退職予定であっても原則として支給されます。「支給日在籍要件」が就業規則に定められている場合がほとんどなので、ボーナス支給日の後に退職届を出すのが一般的な流れです。
Q. ボーナスなしの園は違法ですか?
違法ではありません。ボーナスの支払いは法律上の義務ではないため、就業規則に規定がなければ支給しなくても問題ありません。ただし、就業規則に「支給する」と明記されているのに支給しない場合は問題になります。
Q. ボーナスの支給額は毎年変わりますか?
公立保育園の場合は人事院勧告に基づいて支給月数が決まるため、年によって若干の変動があります。私立保育園の場合は経営状態に左右されるため、年度によって増減する可能性があります。安定したボーナスを望むなら、過去数年の支給実績を面接時に確認しておくのが賢明です。
Q. 転職直後のボーナスはどうなりますか?
多くの園では、ボーナスの算定期間(通常は半年間)に在籍していることが支給条件です。転職直後だと算定期間が短いため、初回のボーナスは減額されるか支給されないことが一般的です。入職のタイミングによっては、冬のボーナスから満額支給になるケースもあります。
Q. ボーナスと処遇改善手当は別物ですか?
はい、別物です。ボーナスは園独自の賞与規定に基づくものですが、処遇改善手当は国の制度に基づく加算金です。園によっては処遇改善手当の一部をボーナスに含めて支給するケースもあるため、内訳が不明な場合は園に確認しましょう。
ボーナスに関して確認すべきチェックリスト
転職時や入職前に、ボーナスについて以下の点を確認しておくと安心です。
- 就業規則にボーナスの規定があるか
- 支給月数は何か月分か(基本給の○か月分)
- 過去3年間の支給実績はどうか
- 算定期間と支給日はいつか
- 支給日在籍要件はあるか
- 人事評価がボーナスに反映されるか
- 処遇改善手当がボーナスに含まれていないか
これらを事前に確認しておくことで、「思ったよりボーナスが少なかった」という入職後のギャップを防ぐことができます。特に過去の支給実績を聞くのが最も信頼性の高い判断材料になります。
ボーナスを重視した転職の考え方
ボーナスの差は年収に直結するため、転職時にはボーナス水準をしっかり比較することが重要です。
月給とボーナスの両方で年収を計算する
月給が高くてもボーナスが少ない園と、月給はやや低めでもボーナスが4か月分出る園では、年収で逆転することがあります。求人を比較する際は必ず「月給×12か月+ボーナス」の年収ベースで計算しましょう。
ボーナスが安定している園を選ぶ
業績連動型のボーナスは年度によって増減しますが、就業規則に支給月数が明記されている園は比較的安定しています。「賞与年2回(計4か月分)」と具体的に記載されている求人は信頼度が高いと判断できます。
まとめ
保育士のボーナスは公立と私立で大きな差があり、公立では年間4.65か月分、私立では2〜4か月分が一般的な相場です。園の経営状態や就業規則によっても支給額は変わるため、転職時には「賞与実績」を具体的に確認することが重要です。
ボーナスを増やすためには、基本給のアップ(キャリアアップ研修・管理職昇格)や、ボーナス水準の高い園への転職が有効な手段です。
給料全体を上げたい方は給料を上げる方法、各種手当についてはもらえる手当の種類一覧もご覧ください。
参考リンク:厚生労働省 賃金構造基本統計調査、人事院(公務員の給与に関する情報)



