「保育の仕事は好きだけど、乳幼児のケアで体力的にきつい…」「もう少し違う年齢の子どもと関わってみたい」と考えたことはありませんか。毎日の抱っこやおむつ替えで腰を痛めたり、乳児の命を預かるプレッシャーに疲弊したりして、別の道を模索する方は少なくありません。
そんな方にぴったりなのが、学童保育への転職です。学童保育は小学生を対象とした放課後の居場所づくりで、保育士として培った子どもとの関わり方や安全管理のスキルは、そのまま学童保育の現場で活かすことができます。保育士資格があれば放課後児童支援員の認定研修を受講でき、採用面でも有利に働きます。
ただし、対象が小学生に変わることで仕事内容も大きく変わります。給与面のギャップもあるため、転職前にしっかり理解しておくことが大切です。この記事では、保育士から学童保育へ転職する際に知っておくべきことを網羅的に解説します。

保育士の資格で学童保育に転職できるのか
結論から言うと、保育士資格があれば学童保育の指導員として働けます。放課後児童支援員の資格要件には保育士資格が含まれているため、むしろ歓迎される存在です。
放課後児童支援員の認定研修(都道府県が実施)を受講すれば、正式な資格を取得できます。研修は16科目・24時間程度で、保育士資格保有者は一部科目が免除される場合もあります。この研修を修了していると、採用時の評価がさらに高まります。資格取得のハードルは決して高くないので、転職前に受講しておくのがおすすめです。
学童保育の仕事内容|保育園との違い
保育園との最大の違いは、対象が小学生という点です。おむつ替えや授乳、食事介助といった身体的なケアは基本的にありません。子どもの「遊び」と「生活」を見守り、安全な放課後の居場所を提供するのが主な役割です。
| 業務内容 | 保育園 | 学童保育 |
|---|---|---|
| 対象年齢 | 0歳〜就学前 | 小学1年〜6年 |
| 勤務時間 | 7時〜19時頃(シフト制) | 13時〜19時頃(平日) |
| 身体的ケア | おむつ替え・授乳・食事介助 | 基本なし |
| 主な業務 | 保育・生活支援 | 遊び・宿題の見守り・おやつ提供 |
| 行事 | 運動会・発表会など大規模 | 季節イベント中心で小規模 |
| 保護者対応 | 送迎時の対話・連絡帳 | お迎え時の報告・連絡 |
学童保育の日常業務は、放課後の遊びや宿題の見守り、おやつの提供、安全管理と出欠確認、保護者との連絡、季節のイベント企画などが中心です。身体的な負担は保育園より軽いと感じる方が多い傾向にあります。

学童保育に転職するメリット
体力的な負担が軽減される
乳幼児の抱っこやおむつ替えがないため、腰痛や体力面での負担が大幅に減ります。保育園で体を壊しかけた経験がある方にとって、長く働き続けられる環境として適しています。「体がもたない」と感じて離職を考えている方には、大きな転機になるかもしれません。
午後からの勤務で午前中が自由になる
放課後が主な勤務時間のため、平日は午前中を自分の時間として使えます。通院や家事、資格の勉強など、自己投資の時間に充てられるのは大きなメリットです。ただし、夏休みなどの長期休暇中は朝からの勤務になる点は理解しておきましょう。以下の記事で具体的に解説しています。

子どもとの対話が楽しめる
小学生は言葉でのコミュニケーションが豊かです。子どもの考えや気持ちを言葉で聞き取り、対話を通じて信頼関係を築く面白さは、保育園とはまた違った魅力があります。子どもから学校の話を聞いたり、一緒にボードゲームで盛り上がったりする日常は、この仕事ならではの醍醐味です。
異年齢交流を見守れる
1年生から6年生まで幅広い年齢の子どもが同じ空間で過ごすため、年上の子が年下の子の面倒を見る場面など、異年齢ならではの豊かな交流を見守ることができます。保育園では経験できないダイナミックな関わりが日常的に起こります。
学童保育に転職するデメリット・注意点
給与は保育園より低めの傾向
学童保育の給与は、正社員でも月給18万〜22万円程度が相場で、保育園より低い傾向があります。ボーナスの支給額も施設によって差があるため、年収ベースでの比較を忘れずに行いましょう。収入面を重視する方にとっては、ここが最大のネックになります。
正社員の求人が少ない
学童保育はパートや契約社員の求人が中心で、正社員の募集が少ないのが実情です。安定した雇用を希望する場合は、自治体が直接運営する学童クラブを狙うのがおすすめです。公務員扱いになるケースもあり、待遇面で安定しています。詳細は以下の記事にまとめています。



- 給与は保育園より低めの傾向があるため、年収ベースで比較する
- パート・契約社員の求人が中心で正社員枠は限られる
- 長期休暇中は勤務時間・業務内容が大きく変わる
- 高学年の児童対応にはまた別のスキルが求められる
- 施設の規模や方針によって業務範囲が異なる


小学生ならではの難しさ
小学生は乳幼児と違い、大人に反抗したり、友人関係のトラブルを抱えたりする場面があります。特に高学年の児童とのコミュニケーションには、保育園とは異なるアプローチが必要になることもあります。子ども同士のケンカの仲裁や、いじめの兆候への対応など、対人スキルが問われる場面は多いです。
転職方法と具体的なステップ
- 放課後児童支援員の認定研修を受講する:保育士なら受講資格あり。一部科目免除の場合も
- 自治体の学童保育の求人をチェック:市区町村のHPや広報誌に掲載されている
- 転職サイトで「学童保育」を検索:ジョブメドレーやIndeedが便利
- 運営形態を確認:自治体直営・社会福祉法人・民間企業で待遇が異なる
- 見学を申し込む:実際の雰囲気を自分の目で確認する
厚生労働省の放課後児童クラブのページ(www.mhlw.go.jp・サイト終了)で制度の詳細を確認できます。転職前に目を通しておくと、面接でも自信を持って話せるようになります。
学童保育での1日のスケジュール例
学童保育の実際の勤務イメージを紹介します。
| 時間帯 | 平日の業務 | 長期休暇中の業務 |
|---|---|---|
| 8:00〜10:00 | ― | 登所受入・健康チェック・自由遊び |
| 10:00〜12:00 | 事務作業・準備 | プログラム活動・外遊び |
| 12:00〜13:00 | 昼食・ミーティング | 昼食 |
| 13:00〜15:00 | 環境整備・おやつ準備 | 自由遊び・学習時間 |
| 15:00〜17:00 | 子ども受入・おやつ・宿題見守り | おやつ・自由遊び |
| 17:00〜19:00 | 自由遊び・保護者お迎え対応 | お迎え対応・片付け |


転職の手順を体系的に知りたい方は以下の記事もあわせてご覧ください。



よくある質問(Q&A)
Q. 学童保育で保育士資格は必須ですか?
A. 必須ではありませんが、保育士資格があると採用で有利になります。放課後児童支援員の認定研修の受講資格にも保育士資格が含まれているため、歓迎される存在です。
Q. 保育園から学童保育に転職して後悔する人はいますか?
A. 給与が下がったことや、小学生との関わり方に戸惑ったことで後悔するケースはあります。一方で、体力的に楽になった、子どもとの対話が楽しいと感じて満足している方も多いです。事前に見学して、自分に合うか確認することが大切です。
Q. 学童保育の勤務時間はどうなっていますか?
A. 平日は13時〜19時頃が中心で、午前中は事務作業や準備に充てるケースもあります。土曜日や長期休暇中は8時〜19時頃のフルタイム勤務になる施設が多いです。
Q. 学童保育から保育園に戻ることはできますか?
A. 保育士資格がある限り、保育園への再転職は可能です。学童保育での経験は、特に異年齢保育や子どもとの対話力のアピールに活用できます。
Q. 学童保育で年収を上げる方法はありますか?
A. 放課後児童支援員の資格取得、施設長へのキャリアアップ、自治体直営施設への転職などが有効です。経験年数を積むことで昇給するケースもあります。
Q. 男性でも学童保育で働けますか?
A. もちろん働けます。小学生は外遊びが活発なので、体力のある男性スタッフは現場で重宝されます。サッカーやドッジボールなど、一緒に体を動かせるスタッフは子どもにも人気があります。
まとめ:保育士から学童保育は自然なキャリアチェンジ
- 保育士資格があれば学童保育で即戦力として歓迎される
- 体力的な負担が軽く、午前中が自由になる
- 小学生との対話を通じた新しいやりがいがある
- 給与面はやや下がる可能性があるため年収ベースで比較する
- 自治体直営の学童は待遇が安定している
- 放課後児童支援員の認定研修は受けておくと有利
保育士の経験を活かしつつ、違う年齢の子どもと関わりたいなら、学童保育は有力な選択肢です。体力的な負担軽減や働き方の柔軟さも大きな魅力ですので、自分に合った環境を探してみてください。
ジョブメドレーで学童保育の求人を検索できます。また、お住まいの自治体の放課後児童クラブ情報(www.mhlw.go.jp・サイト終了)も合わせて確認してみましょう。




