「おもちゃの選び方に自信がない」「遊びをもっと充実させたい」そう感じている保育士さんは少なくないのではないでしょうか。子どもたちの成長を支えるうえで、おもちゃは重要なツールです。しかし、適切なおもちゃの選び方や遊び方を体系的に学ぶ機会は、保育士養成課程では十分にカバーされていないのが実情です。
そこで注目したいのが、おもちゃコンサルタントという資格です。認定NPO法人 芸術と遊び創造協会が認定するこの資格は、おもちゃと遊びの専門知識を体系的に学べる制度として、保育関係者を中心に広く支持されています。
この記事では、おもちゃコンサルタントの資格の取り方から費用、保育現場での活かし方まで詳しく解説します。「遊びのプロ」としてスキルアップしたい保育士さんは、ぜひ参考にしてください。

おもちゃコンサルタントとは?
おもちゃコンサルタントは、認定NPO法人 芸術と遊び創造協会(旧・日本グッド・トイ委員会)が認定する民間資格です。東京おもちゃ美術館を運営する同協会が、おもちゃと遊びに関する専門的な知識と技術を持つ人材を養成するために設けた制度で、開講から30年以上の歴史を誇ります(芸術と遊びらぼ公式サイト参照)。
現在、全国で6,000名以上のおもちゃコンサルタントが活躍しており、保育園、幼稚園、児童館、福祉施設、子育て支援センターなど幅広い分野で、おもちゃを通じた支援活動を展開しています。
おもちゃコンサルタントが学ぶ内容
- おもちゃの基礎知識:発達段階に合ったおもちゃの選び方や安全基準
- 遊びの理論:子どもの発達と遊びの関係性、遊びの環境づくり
- 手作りおもちゃ:身近な素材を使ったおもちゃ製作の実践
- おもちゃの歴史と文化:世界のおもちゃ文化や伝承遊び
- グッド・トイ:優良なおもちゃを見極める審査基準と選定方法
おもちゃインストラクターとの違い
芸術と遊び創造協会には、おもちゃコンサルタントの他に「おもちゃインストラクター」という資格もあります。混同しやすいので、違いを確認しておきましょう。
| 項目 | おもちゃインストラクター | おもちゃコンサルタント |
|---|---|---|
| 位置づけ | 入門資格 | 専門資格 |
| 講座日数 | 1日(約6時間) | 6日間(通学)またはeラーニング |
| 受講料 | 約8,000円 | 71,500円+年会費5,000円 |
| 内容 | 手作りおもちゃの実践が中心 | おもちゃの理論から実践まで幅広く |
| 認定後の特典 | おもちゃインストラクター活動 | おもちゃの広場の開催権など |
まずおもちゃインストラクターから始めてステップアップするのも良い方法です。おもちゃインストラクター取得者は、おもちゃコンサルタント講座の受講料が5,500円割引になる特典もあります。

おもちゃコンサルタントの取得方法
受講コースの種類
おもちゃコンサルタント養成講座は、以下の2つのコースから選べます。
- 通学コース:東京おもちゃ美術館(四谷)などで全6日間の対面講座。実際におもちゃに触れながら学べる
- eラーニングコース:自宅で動画講義+課題提出で学ぶオンライン形式。忙しい保育士さんにもおすすめ
受講資格
おもちゃコンサルタント養成講座には、特別な受講資格は不要です。保育士や教員免許の有無にかかわらず、おもちゃに関心がある方なら誰でも受講できます。実際に、受講者の約半数が保育関係者ですが、子育て中の保護者や学生、会社員など幅広い層が受講しています。
費用
受講にかかる費用は以下のとおりです。
- 受講料:71,500円(税込)
- 芸術と遊び創造協会 年会費:5,000円
- 合計:76,500円(税込)
おもちゃインストラクター資格取得者またはおもちゃ学芸員登録者は、5,500円の割引が適用されます。また、eラーニングコースでは期間限定の特別価格が設定されることもあるため、公式サイトの養成講座ページで最新情報をチェックしてみてください。
取得までの流れ
- 公式サイトから養成講座に申し込む
- 講座を受講する(通学6日間 or eラーニング約3ヶ月)
- レポート課題や修了課題を提出する
- 修了認定を受けて「おもちゃコンサルタント」として登録

保育士がおもちゃコンサルタントを取得するメリット
保育の質が向上する
おもちゃの選び方や遊び方を体系的に学ぶことで、子どもの発達段階に合った適切なおもちゃを選定できるようになります。「なぜこのおもちゃがこの年齢に適しているのか」を理論的に説明できることは、保育の専門性を高めるうえで大きな強みになります。
保護者への説明力が上がる
「家でどんなおもちゃを買えばいいですか?」と保護者から相談を受けたとき、根拠を持ってアドバイスできるようになります。おもちゃの安全基準や発達への効果を説明できることで、保護者からの信頼も深まるでしょう。
キャリアの選択肢が広がる
おもちゃコンサルタントの資格を活かして、以下のような活動に取り組めるようになります。
- 「おもちゃの広場」を地域で開催する
- 子育て支援イベントでおもちゃの専門家として活動する
- おもちゃメーカーの商品開発にアドバイザーとして関わる
- 東京おもちゃ美術館などの施設で専門スタッフとして活躍する
転職活動でのアピールポイントになる
おもちゃコンサルタントの資格は、保育士としての専門性の高さを証明する要素になります。転職活動で「遊びの環境づくりに力を入れています」と具体的にアピールできるのは大きなメリットです。

おもちゃコンサルタントマスターとは?
おもちゃコンサルタントの上位資格として、おもちゃコンサルタントマスターがあります。これは、おもちゃコンサルタント取得者がさらにスキルアップするための講座で、おもちゃの専門性をより深く追求できる内容です。
マスター養成講座は2日間で受講料は50,000円(税込)です。おもちゃの広場の運営実践やファシリテーション技術など、より実践的なスキルを身につけられます。
保育現場でのおもちゃコンサルタントの活かし方
遊びのコーナーを見直す
おもちゃの配置や種類を見直すことで、子どもたちが主体的に遊びを選び取れる環境をつくれます。年齢や発達段階に応じたおもちゃの入れ替えを定期的に行い、遊びの質を高めていきましょう。
手作りおもちゃで保育を豊かに
市販のおもちゃだけでなく、身近な素材を使った手作りおもちゃを取り入れることで、子どもたちの創造性や好奇心を刺激できます。養成講座で学ぶ手作りおもちゃの技術は、保育の引き出しを増やすうえで非常に役立ちます。
園内研修のリーダーになる
おもちゃコンサルタントの知識を活かして、園内での「遊び」に関する研修を主導することもできます。他の保育士のスキルアップにもつながり、園全体の保育の質を底上げする効果が期待できます。
よくある質問(Q&A)
保育士資格がなくても取得できる?
はい、取得できます。おもちゃコンサルタント養成講座に受講資格の制限はなく、保育士資格の有無にかかわらず誰でも受講可能です。実際に保育関係者以外の受講者も多くいらっしゃいます。
eラーニングでも通学と同じ資格が取れる?
はい、同じ「おもちゃコンサルタント」の資格が認定されます。カリキュラムの内容は基本的に同等で、自宅学習のため自分のペースで進められるメリットがあります。
取得までにどのくらいの期間がかかる?
通学コースの場合は全6日間で、数ヶ月にわたって月1回程度のペースで開講されます。eラーニングコースの場合は約3ヶ月で修了できます。
更新は必要?
芸術と遊び創造協会の年会費(5,000円)を毎年納入することで資格を維持できます。資格自体の更新試験などはありません。
園の費用で取得できる?
園によってはスキルアップ支援制度で受講料を補助してくれるケースもあります。処遇改善加算IIの研修としてカウントされる場合もあるため、まずは園長に相談してみるのがおすすめです。

まとめ
おもちゃコンサルタントは、おもちゃと遊びの専門知識を体系的に学べる資格です。保育士が取得することで、日々の保育の質を高めるだけでなく、保護者対応やキャリアアップにも役立ちます。
受講料は76,500円と決して安くはありませんが、一生使えるスキルと全国6,000名以上の仲間とのネットワークが手に入ると考えれば、十分に価値のある自己投資ではないでしょうか。
おもちゃの力を最大限に活かして、子どもたちの成長を支えられる保育士を目指してみてください。資格取得の第一歩として、まずは芸術と遊び創造協会の公式サイトで詳細を確認してみることをおすすめします。


