「配置基準って最近変わったの?」「うちの園にはどんな影響があるの?」と気になっている方は多いのではないでしょうか。実は、保育士の配置基準はここ数年で大きな見直しが進んでいます。特に3歳児・4歳以上児のクラスでは、子どもの安全と保育の質を高めるために、職員の配置人数が引き上げられました。
この記事では、保育士の配置基準について「何がどう変わったのか」「現場にどんな影響があるのか」をわかりやすく解説していきます。これから転職を考えている方にも、今の園で働き続ける方にも役立つ内容です。

そもそも配置基準とは?基本をおさらい
保育士の配置基準とは、子どもの年齢ごとに「保育士1人に対して何人の子どもを受け持てるか」を定めた国のルールです。児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)によって定められており、すべての認可保育施設はこの基準を守る義務があります。
配置基準は子どもの安全を守るための最低ライン。年齢が低いほど手がかかるため、より多くの保育士が必要になります。この基準が引き上げられるということは、「もっと手厚い保育をしよう」という国の方針が反映されているということです。
年齢別の配置基準一覧
記事執筆時点で適用されている配置基準は以下のとおりです。
年齢別の配置基準(現行)
・0歳児:子ども3人に対して保育士1人(3:1)
・1〜2歳児:子ども6人に対して保育士1人(6:1)
・3歳児:子ども15人に対して保育士1人(15:1)※従来は20:1
・4歳以上児:子ども25人に対して保育士1人(25:1)※従来は30:1
特に注目すべきは、3歳児と4歳以上児の基準が大きく引き上げられた点です。3歳児は「20:1」から「15:1」に、4歳以上児は「30:1」から「25:1」に変更されました。これは75年ぶりの大改正ともいわれています。
配置基準の変更点を時系列で整理
3歳児の配置基準が「15:1」に
3歳児については、長年「保育士1人に対して子ども20人」という基準が適用されていました。しかし、現場からは「20人を1人で見るのは限界がある」という声が多く上がっていました。
この改正により、3歳児クラスでは保育士1人あたりの受け持ち人数が5人減り、15人になりました。こども家庭庁の調査によると、改正後の時点で3歳児について15:1以上の配置を達成している施設は96.2%にのぼっています。
4歳以上児の配置基準が「25:1」に
4歳以上児(4歳児・5歳児)についても、従来の「30:1」から「25:1」に引き上げられました。同じくこども家庭庁の調査では、25:1以上の配置を達成している施設は94.4%です。
なお、この改正には経過措置が設けられており、令和10年度(2028年度)からは「15:1」「25:1」が完全義務化される予定です。それまでの間は旧基準でも運営可能ですが、ほとんどの施設がすでに新基準に対応しています。

1歳児の「配置改善加算」が新設
1歳児については、配置基準そのものは「6:1」のままですが、実質「5:1」に引き上げるための「1歳児配置改善加算」が新たに設けられました。
この加算を取得するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。
1歳児配置改善加算の取得条件
・1歳児クラスの職員配置を5:1以上に改善すること
・処遇改善等加算の区分1〜3をすべて取得していること
・業務にICTを活用していること
・施設の職員の平均経験年数が10年以上であること
条件がやや厳しいため、すべての施設がすぐに対応できるわけではありません。ただし、今後の方向性として「1歳児の配置もさらに手厚くしていく」という国の意思が見て取れます。
配置基準の変更が現場に与える影響
保育の質が向上する
保育士1人あたりの受け持ち人数が減ることで、一人ひとりの子どもに目が行き届きやすくなります。これまで「もっと丁寧にかかわりたいのに余裕がない」と感じていた保育士にとっては、大きなプラスの変化です。
子どもの安全管理の面でも、人数が減ることでヒヤリハットの防止につながると期待されています。
人材確保がさらに重要に
配置基準が引き上げられるということは、同じ定員の園でもより多くの保育士が必要になるということです。もともと保育士不足が深刻な中で、さらに採用を増やさなければならない園も出てきます。
逆に言えば、保育士にとっては「売り手市場」がさらに加速する可能性があります。転職を検討している方にとっては、条件交渉がしやすくなる追い風とも言えるでしょう。
園の運営コストが増加する
保育士を増員するということは、人件費の増加を意味します。国や自治体からの補助金・加算が設けられているとはいえ、園の経営にとっては負担が大きくなるケースもあります。
特に小規模な私立園では、人材確保と経営のバランスをどう取るかが課題になっています。

転職先を選ぶときにチェックすべきポイント
配置基準の改正を受けて、転職先を探すときには以下のポイントを意識してみてください。
園選びで確認したいこと
・新しい配置基準にすでに対応しているか
・加配(基準以上の保育士配置)を行っているか
・1歳児配置改善加算を取得しているか、または取得予定か
・ICT導入による業務効率化が進んでいるか
・保育士1人あたりの実際の受け持ち人数はどのくらいか
求人票だけではわからないことも多いため、園見学の際に直接質問するのがおすすめです。「実際に何人の保育士で何人の子どもを見ていますか?」と聞くだけでも、園の方針が見えてきます。
配置基準に関するよくある質問
Q. 配置基準を満たしていない園はあるの?
認可保育施設であれば、配置基準は法的な義務です。ただし、経過措置期間中は旧基準でも運営できるため、まだ新基準に移行していない園もゼロではありません。こども家庭庁の調査では9割以上の施設が対応済みですが、残りの施設も完全義務化までに対応する必要があります。
Q. 認可外保育施設の配置基準はどうなっている?
認可外保育施設にも「認可外保育施設指導監督基準」があり、おおむね認可施設と同じ配置基準が求められています。ただし、法的な拘束力が異なるため、施設によってばらつきがあるのが実情です。
Q. 今後さらに配置基準は変わる可能性はある?
1歳児の「5:1」化がまだ加算措置の段階にとどまっていることからもわかるように、国は段階的に基準を引き上げていく方針です。0歳児の「3:1」についても、さらなる見直しを求める声は現場から上がっています。今後の動向にも注目しておきましょう。
まとめ
保育士の配置基準は、3歳児が「15:1」、4歳以上児が「25:1」に変更され、1歳児についても実質「5:1」に引き上げる加算制度が始まっています。経過措置は令和10年度末までで、以降は新基準が完全義務化されます。
この変更は、保育の質の向上と子どもの安全確保を目的としたものです。同時に、保育士の需要がさらに高まることを意味しており、転職を考えている方にとっては有利な状況といえます。
配置基準の動向を理解しておくことは、自分のキャリアを考えるうえでも重要です。気になる園があれば、配置基準への対応状況を積極的に確認してみてください。

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