「子どもが生まれても保育士を続けたいけど、両立できるか不安…」そんな悩みを抱えるママ保育士は多い。保育の仕事は体力勝負な上に、行事準備や書類業務で残業も発生しがちだ。でも、働き方を工夫すれば、子育てと保育士の仕事を両立することは十分に可能だ。
この記事では、ママ保育士が仕事と育児を両立させるための具体的な方法や、利用できる制度、働き方の選択肢を詳しく解説していく。「もう無理かも」と思う前に、ぜひ読んでみてほしい。

ママ保育士が抱えやすい悩みとは?
まず、ママ保育士が感じやすい代表的な悩みを整理しておこう。
1. 勤務時間と子どもの送迎が合わない
保育園は早朝から夕方以降まで開園しているため、シフトによっては自分の子どもの送り迎えが難しくなるケースがある。特に早番・遅番がある園では、家族やパートナーの協力が不可欠だ。
2. 行事準備や持ち帰り仕事
発表会や運動会の準備、壁面製作、書類業務などが重なると、帰宅後も仕事に追われることがある。育児中にそこまでの時間を確保するのは現実的に厳しい。
壁面製作に時間を取られがちなら、型紙つきの壁面飾りのアイデア本を手元に置いておくと、一から考える手間を減らせる。
3. 体力の消耗
日中は園児の相手で体力を使い、帰宅後は自分の子どもの世話と家事。体力的にきつさを感じるのは当然のことだ。
4. 周囲への気兼ね
子どもの急な発熱や体調不良で休みを取ることが増えると、「職場に迷惑をかけている」と感じてしまう方も少なくない。
両立を実現するための働き方の選択肢
ママ保育士が無理なく働くためには、自分のライフスタイルに合った働き方を選ぶことが重要だ。主な選択肢を紹介する。
1. 時短正社員
育児・介護休業法に基づき、3歳未満の子どもを育てる労働者は1日6時間の時短勤務を請求できる。正社員の待遇(有給休暇・賞与・社会保険)を維持しながら、勤務時間を短縮できるのが大きなメリットだ。
| 項目 | 時短正社員 | フルタイム正社員 |
|---|---|---|
| 勤務時間 | 原則6時間/日 | 8時間/日 |
| 給与 | 時間に比例して減額 | 満額支給 |
| 賞与 | 支給(減額される場合あり) | 満額支給 |
| 社会保険 | 加入 | 加入 |
| 有給休暇 | 勤続年数に応じて付与 | 同左 |
2. パート保育士
フルタイムが難しい場合、パートとして勤務する方法もある。勤務日数や時間帯を自分で調整しやすいのが最大の魅力だ。「朝だけ」「午前中だけ」といった短時間勤務も可能な園が増えている。
3. 派遣保育士
派遣会社を通じて勤務する方法は、パートよりも時給が1〜2割高い傾向がある。「残業なし」「週3日」などの条件を派遣会社が交渉してくれるため、自分では言いにくい希望も通りやすい。
4. フリーランス(ベビーシッター等)
保育士資格を活かしてベビーシッターとして働く方法もある。時間の融通がきき、高時給も見込めるため、育児中の柔軟な働き方として注目されている。
ベビーシッターの仕事に興味があるなら、仕事の流れや注意点をまとめた本で事前にイメージをつかんでおくと安心だ。

両立をサポートする制度を活用しよう
法律や園の制度で利用できるものを把握しておくことも大切だ。知らないだけで使える制度がたくさんある。
育児休業(育休)
子どもが1歳になるまで(条件により最長2歳まで)取得できる。育休中は育児休業給付金が雇用保険から支給されるため、収入がゼロになるわけではない。
時短勤務制度
3歳未満の子どもを育てる労働者が対象。勤務時間を6時間に短縮できる法定制度だ。園によっては3歳以降も利用可能な独自制度を設けているところもある。
子の看護等休暇
2025年4月の育児・介護休業法改正により、名称が「子の看護等休暇」に変更され、対象が小学校3年生修了までに拡大された。年間5日(2人以上は10日)の取得が可能で、子どもの病気やケガだけでなく、学級閉鎖や入学式・卒園式への参加も取得事由に加わっている。時間単位での取得も可能なので、園の規程を確認しよう。
所定外労働の制限(残業免除)
2025年4月の法改正により、残業免除の対象が小学校就学前の子どもを育てる労働者にまで拡大された。園との関係で言い出しにくい場合もあるが、法律で認められた権利であることを覚えておこう。
これらの制度は労働者の権利として法律で保障されている。「使いにくい雰囲気」があっても、知っておくことで交渉しやすくなる。園に相談する際は、具体的な制度名を出すのが効果的だ。
両立しやすい園の選び方
今の職場で両立が難しいと感じたら、働きやすい環境の園に転職するのも一つの選択肢だ。以下のポイントをチェックしてみよう。
チェックリスト
- 時短勤務の実績があるか
- 育休からの復帰率が高いか
- 持ち帰り仕事がどの程度あるか
- ICT化で書類業務が軽減されているか
- 子育て中の職員がどのくらいいるか
- シフトの柔軟性(固定シフトが選べるか)
- 子連れ出勤や託児所利用の制度があるか
求人情報だけではわからない部分も多いため、園見学や転職エージェントへの相談を積極的に活用しよう。実際に働いている方の声を聞けると、よりリアルな判断材料になる。
ママ保育士の1日のスケジュール例
時短勤務を利用しているママ保育士の1日のスケジュール例を紹介する。
| 時間 | 活動内容 |
|---|---|
| 6:30 | 起床・自分と子どもの準備 |
| 7:30 | 子どもを保育園に送る |
| 8:30 | 出勤 |
| 8:30〜15:30 | 勤務(時短6時間+休憩1時間) |
| 16:00 | 子どものお迎え |
| 16:30 | 帰宅・子どもと遊ぶ |
| 17:30 | 夕食準備・食事 |
| 19:00 | 入浴 |
| 20:00 | 子どもの寝かしつけ |
| 20:30〜 | 自分の時間・家事 |
時短勤務を利用することで、お迎えの時間に余裕が生まれ、子どもとの時間を確保できるのが大きなメリットだ。
夕食後の片付けを少しでも短くしたいなら、賃貸でも置きやすい工事不要タイプの食洗機を検討するという手もある。

両立のコツ:先輩ママ保育士の知恵
「完璧」を手放す
仕事も育児も100%やろうとすると、どこかで無理が出る。「今日はこれでOK」と自分に許可を出すことが、長く続けるための秘訣だ。
家族や周囲の協力を仕組み化する
パートナーや家族と家事・育児の分担を話し合い、「誰が何をする」を具体的に決めておこう。曖昧にしておくと、結局ママに負担が集中してしまいがちだ。
時短家電やサービスを活用する
食洗機、ロボット掃除機、乾燥機付き洗濯機などの時短家電や、宅配食材サービスを活用するのもおすすめだ。「お金で時間を買う」意識を持つと、生活にゆとりが生まれる。
職場でのコミュニケーションを大切にする
突然の休みが必要になったとき、普段から同僚とコミュニケーションが取れていると格段に頼みやすくなる。日頃からの信頼関係づくりを意識しよう。
今の園で両立が難しいなら転職も選択肢
「時短勤務を申請したら嫌な顔をされた」「子どもの急な発熱で休むたびに気まずい思いをする」そんな状況が続くなら、無理に今の園にしがみつく必要はない。
保育士専門の転職サイトやエージェントでは、「子育て中の職員が多い園」「時短勤務の実績がある園」「持ち帰り仕事なし」といった条件で求人を検索できる。育休中や復帰直後でも転職活動は可能なので、まずは情報収集から始めてみよう。
また、正社員にこだわらず派遣やパートという選択肢を視野に入れることで、自分と子どもに合った働き方が見つかることもある。保育士の資格があれば、ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えられるのが大きな強みだ。
よくある質問(Q&A)
Q. 子どもを自分が勤務する園に預けることはできる?
園の方針によるが、自園に子どもを預けられるケースもある。通勤と送迎を一度に済ませられるメリットがある一方、「仕事モードと保護者モードの切り替えが難しい」と感じる方もいるため、事前に園の対応を確認しておこう。
Q. 子育て中でも担任は持てる?
園の方針や人員配置によって異なるが、時短勤務の場合は担任を外れてフリー保育士や副担任を担当するケースが多い。フルタイムに戻った際に再び担任を持てることがほとんどなので、焦らず子育て期間を乗り越えよう。
Q. 保育士ママが抱える「罪悪感」への対処法は?
「自分の子どもより他の子の世話を優先している」という罪悪感を抱くママ保育士は多い。しかし、保育の仕事をしているからこそ子育ての専門知識があり、子どもとの時間の質を高められる。量より質を意識して、一緒にいる時間を大切にしよう。
Q. 夫の転勤で引っ越した場合、すぐに転職先は見つかる?
保育士は全国どこでも需要が高い職種だ。引っ越し先でも保育士専門の転職サイトを使えば、比較的スムーズに求人が見つかる。転居前から情報収集を始めておくと、引っ越し後のブランクを短くできる。
ママ保育士だからこそのやりがい
子育てしながら保育士を続けることは大変な面もあるが、ママ保育士だからこそ感じられるやりがいもたくさんある。
保護者に共感してもらえる
自分も子育て中であることを保護者に話すと、「この先生はわかってくれる」と安心してもらえることが多い。保護者との距離がグッと縮まり、信頼関係が築きやすくなるのは大きな強みだ。
保育の引き出しが増える
自分の子どもの成長を日々見ている経験は、保育の現場でもダイレクトに活きる。「うちの子がこの遊びを喜んだから、園でも試してみよう」など、リアルな子育て経験が保育の質を高めてくれる。
仕事と育児の相乗効果
保育の知識が自分の子育てに役立ち、子育ての経験が保育の仕事に活きる。この好循環を感じられるのは、保育士ママならではの特権と言えるだろう。
まとめ
ママ保育士の仕事と育児の両立は、工夫次第で十分に実現できる。時短勤務やパート・派遣といった柔軟な働き方を活用し、使える制度はしっかり使おう。職場環境が合わないと感じたら、両立しやすい園への転職も視野に入れてみてほしい。
大切なのは、無理をしすぎないこと。「保育士も母親もどちらも楽しめる」そんなバランスを見つけていこう。
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