転職活動で提出を求められる「職務経歴書」。履歴書とは違い、決まったフォーマットがないため「何をどう書けばいいの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
職務経歴書は、これまでの保育経験やスキルを具体的にアピールする書類です。書き方のポイントを押さえれば、書類選考の通過率を大きく上げることができます。この記事では、保育の仕事に特化した職務経歴書の書き方を、テンプレートと記入例つきでわかりやすく解説します。

職務経歴書と履歴書の違い
まず、職務経歴書と履歴書の役割の違いを理解しておきましょう。
- 履歴書:学歴・資格・志望動機など、基本的なプロフィールを伝える書類
- 職務経歴書:どんな園で、どんな仕事をしてきたか、具体的な業務内容とスキルを伝える書類
履歴書が「自分の概要」だとすれば、職務経歴書は「自分の実力を証明する資料」です。採用担当者は職務経歴書を見て、「この人はうちの園で活躍できそうか」を判断しています。
職務経歴書とセットで提出することが多いので、履歴書もあわせて用意しておくと、応募のタイミングを逃しません。
職務経歴書に書くべき項目
保育の仕事に合った職務経歴書は、以下の項目で構成するのが一般的です。
1. 職務要約
これまでのキャリアを3〜5行で簡潔にまとめたサマリーです。採用担当者が最初に読む部分なので、経験年数・担当クラス・得意分野が一目でわかるように書きましょう。
記入例:
「保育士として合計6年の実務経験があります。認可保育園にて0歳児〜5歳児の担任を経験し、乳児保育と保護者対応に強みがあります。キャリアアップ研修(乳児保育分野)を修了し、後輩指導の経験もあります。」
2. 職務経歴(勤務先ごとに記載)
勤務先の情報と、担当した業務を時系列で記載します。
記載する情報:
- 園名(法人名)・所在地
- 園の種類(認可保育園・小規模保育所など)・定員数
- 在籍期間
- 雇用形態(正社員・パートなど)
- 担当クラスと園児数
- 具体的な業務内容
記入例:
「社会福祉法人○○会 ○○保育園(認可保育園・定員90名)」
「在籍期間:記事執筆時点で6年目(正社員)」
「担当:1歳児クラス(12名)の担任」
「業務内容:日常保育、指導案作成、連絡帳記入、保護者対応、行事の企画運営、新人研修の補助」
3. 保有資格・研修歴
- 保育士資格(取得年月)
- 幼稚園教諭免許(種別・取得年月)
- キャリアアップ研修の修了分野
- その他の関連資格(食育指導士、リトミック指導者資格など)
4. スキル・得意分野
保育に活かせるスキルを箇条書きで記載します。
- ピアノ(弾き歌いが得意)
- 制作活動の企画(壁面装飾・季節の製作)
- ICTシステムの操作(コドモン・キッズリーなど)
- アレルギー対応の知識・経験
- 発達障害のある子どもへの支援経験
5. 自己PR
職務経歴書の中で最も重要な項目です。300〜400文字程度で、具体的なエピソードを交えながら自分の強みを伝えましょう。面接で深掘りされることを想定して書くのがコツです。
保育の仕事では「何歳児を何名担当したか」が大切な情報です。クラス人数を具体的に書くことで、採用担当者がイメージしやすくなります。

職務経歴書のテンプレート
以下のテンプレートを参考に、自分の経験に当てはめて作成してみてください。A4用紙1〜2枚に収めるのが基本です。
自己PRの書き方や言い回しで迷ったときは、職務経歴書の書き方を解説した本を手元に置いておくと、表現の幅が広がります。
【職務要約】
保育士として○年間の実務経験があります。認可保育園にて○歳児〜○歳児の担任を経験し、○○に強みがあります。○○研修を修了しています。
【職務経歴】
■ 法人名・園名(園の種類・定員数)
在籍期間:○年○月〜○年○月(○年間)
雇用形態:正社員
担当:○歳児クラス(○名)
業務内容:
・日常保育・クラス運営
・指導案・月案・週案の作成
・連絡帳の記入・保護者対応
・行事の企画運営(運動会・発表会・卒園式など)
・新人職員の指導・フォロー
【保有資格】
・保育士資格(○年取得)
・幼稚園教諭二種免許(○年取得)
・キャリアアップ研修修了(○○分野)
【スキル・得意分野】
・○○
・○○
【自己PR】
(300〜400文字で具体的に記載)
通過率を上げる書き方のコツ
数字を使って具体的に
「たくさんの子どもを見ていました」よりも「20名の3歳児クラスを担任として運営していました」の方が、採用担当者にスケール感が伝わります。園児数・保護者対応件数・行事の参加人数など、数字で表現できるものは積極的に盛り込みましょう。
応募先の求める人物像に合わせる
応募先の園の求人票やホームページを確認し、求められている経験やスキルに合った内容を優先的に記載しましょう。たとえば乳児保育に力を入れている園なら、乳児保育の経験を前面に出すのが効果的です。
編年体形式で時系列に書く
保育の仕事では、古い経歴から順に書く「編年体形式」が一般的です。キャリアの成長過程が伝わりやすいメリットがあります。
見やすいレイアウトにする
箇条書き・太字・適度な余白を使い、読みやすいレイアウトを心がけましょう。びっしり文字が詰まった書類は、読む気をなくしてしまいます。

よくあるNG例と改善ポイント
NG:業務内容を羅列しただけ
「保育業務全般」「クラス運営」だけでは、何をしてきたのか伝わりません。具体的にどんな業務を、どのように行ったかまで書きましょう。
改善例:「2歳児クラス(15名)の複数担任として、排泄の自立に向けた個別計画を立案し、保護者と連携しながら支援を行いました。」
NG:自己PRが抽象的
「明るい性格です」「子どもが大好きです」だけでは、他の応募者との違いが出ません。エピソード+結果をセットで記載しましょう。
NG:誤字脱字がある
職務経歴書は正式な書類です。誤字脱字があると「この人は書類のチェックが甘いのでは」と思われてしまいます。提出前に必ず見直し、可能であれば第三者にもチェックしてもらいましょう。
NG:園名や法人名が不正確
園名や法人名は正式名称で記載しましょう。「社会福祉法人」を省略したり、園名を略称で書いたりすると、正確さに欠ける印象を与えてしまいます。不安な場合は園のホームページや名刺で正式名称を確認してください。
職務経歴書を仕上げるまでの手順
実際に作成する際は、以下の手順で進めるとスムーズです。
- キャリアの棚卸し:これまで勤務した園・担当クラス・具体的な業務を時系列で書き出す
- 強みの言語化:「自分が得意なこと」「周囲から褒められたこと」を3つ挙げる
- 応募先のリサーチ:園の保育方針・求める人物像を確認し、アピールの方向性を決める
- 下書き作成:テンプレートに沿って各項目を埋める
- 推敲・校正:誤字脱字をチェックし、第三者に読んでもらう
- PDF化して提出:レイアウトが崩れないようPDF形式で保存する
一度にすべてを仕上げようとせず、数日に分けて作業する方が完成度の高い書類になります。客観的な視点を持つために、転職エージェントに添削を依頼するのもおすすめの方法です。
職務経歴書はPDF形式で提出するのがおすすめです。Word形式だと、相手のパソコン環境によってレイアウトが崩れる可能性があります。
園によっては印刷した書類の郵送や持参を求められることもあります。書類が折れたり汚れたりしないよう、A4のクリアファイルを用意しておくと安心です。
よくある質問(Q&A)
Q. パートや派遣の経験も書くべきですか?
保育に関する業務経験であれば、雇用形態に関係なく記載しましょう。パートでも「担任補助」「一時保育担当」などの具体的な業務を書けば、立派なキャリアとしてアピールできます。
Q. 転職回数が多い場合はどうすればよいですか?
すべての勤務先を正直に記載しましょう。ただし、短期間の勤務先については業務内容を簡潔にまとめ、長く在籍した園の経験を手厚く書くとバランスが取れます。
Q. 保育以外の職歴がある場合は書きますか?
保育に活かせるスキルがあれば記載しましょう。たとえば「事務職でのパソコンスキル→書類業務の効率化」「接客業でのコミュニケーション力→保護者対応」のように、保育にどうつながるかを添えるのがコツです。
職務経歴書の作成に役立つ外部情報
テンプレートのダウンロードやフォーマットの参考に、以下の外部サイトも活用できます。
- ハローワーク インターネットサービス:応募書類の書き方ガイドが掲載されており、職務経歴書のフォーマットも参考にできます。
- 厚生労働省 ジョブ・カード制度:キャリアの棚卸しに使える公式ツールで、職務経歴書の作成にも役立ちます。
まとめ
職務経歴書は、自分の保育経験をわかりやすく伝えるための重要な書類です。「何歳児を何名担当し、どんな成果を出したか」を具体的に記載することで、書類選考の通過率が上がります。
テンプレートを活用しながら、自分の経験を丁寧に振り返って作成してみてください。良い職務経歴書は、面接での話題提供にもつながります。時間をかけてでも、納得のいく一枚を仕上げましょう。




