「少人数保育に興味がある」「自宅で保育の仕事をしたい」「もっと一人ひとりに丁寧に関わりたい」――そんな思いを持つ保育士に注目されているのが、チャイルドマインダーという資格です。
イギリス発祥の家庭的保育の専門資格で、少人数の子どもに対してきめ細やかな保育を提供するスペシャリストを育成します。保育士資格を持つ方がチャイルドマインダーを取得することで、働き方の選択肢が大きく広がります。
この記事では、チャイルドマインダー資格の概要、取得方法、費用、保育士との違いについて詳しく解説します。

チャイルドマインダーとは
チャイルドマインダーとは、1人〜4人の少人数の子どもを対象に、家庭的な環境の中で質の高い保育を提供する専門家です。イギリスでは国家職業資格として認められており、約10万人のチャイルドマインダーが活動しています。
日本では民間資格として位置づけられており、いくつかの認定団体が養成講座を運営しています。保育園のような集団保育とは異なり、子ども一人ひとりの個性や発達段階に合わせた保育ができるのが大きな特徴です。
チャイルドマインダーと保育士の違い
チャイルドマインダーと保育士はどちらも子どもの保育に関わりますが、いくつかの点で違いがあります。
| 項目 | チャイルドマインダー | 保育士 |
| 資格の種類 | 民間資格 | 国家資格 |
| 対象人数 | 1〜4人(少人数保育) | 集団保育(6〜30人以上) |
| 保育の場所 | 自宅・依頼者宅・施設 | 主に保育施設 |
| 働き方 | フリーランス・開業も可能 | 施設での雇用が基本 |
| 取得難易度 | 養成講座修了で取得 | 国家試験合格が必要 |
保育士は集団保育の専門家、チャイルドマインダーは少人数保育の専門家という位置づけです。両方の資格を持っていると、集団保育と個別保育の両方に対応できるオールラウンドな保育者として活躍できます。
講座の受講を決める前に、チャイルドマインダーの考え方や働き方を紹介した本で雰囲気をつかんでおくと、自分に合うかどうか判断しやすくなります。
チャイルドマインダー資格の取得方法
チャイルドマインダー資格は、認定団体が実施する養成講座を受講し、修了試験に合格することで取得できます。
主な認定団体と養成講座
チャイルドマインダージャパン(NCMA,Japan)
イギリスNCMA(National Childminding Association)の理念を基にした養成プログラムを提供しています。通学コースと通信コースがあり、子どもの発達・安全管理・栄養学など幅広い内容を学びます。保育士資格保有者は受講料が割引になる場合があります。
ヒューマンアカデミー
全国に校舎があり、通学しやすいのが特徴です。実践的なカリキュラムが組まれており、修了後の就業サポートも充実しています。
キャリカレ(資格のキャリカレ)
通信講座で自宅学習ができるため、仕事を続けながら取得したい方に向いています。テキストと動画で学び、在宅で受験できます。
受講期間の目安
通学の場合は2〜6ヶ月程度、通信の場合は3〜6ヶ月程度が一般的です。保育士資格を持っている方は一部科目が免除されるケースがあり、より短期間で取得できることもあります。

取得にかかる費用
チャイルドマインダー資格の取得費用は、受講形態や認定団体によって異なります。
通学タイプ
15万円〜40万円程度が相場です。スクーリングや実技指導が含まれるため、通信より高めの傾向があります。ただし、直接指導を受けられるため理解が深まりやすいメリットがあります。
通信タイプ
13万円〜26万円程度が相場です。自宅で学べるため、働きながらでも取り組みやすいのが魅力です。保育士資格保有者は割引が適用される場合があります。
費用は団体やコースによって異なります。入学金・テキスト代・受験料が別途かかる場合もあるため、申込前に総額を確認しましょう。教育訓練給付制度の対象講座であれば、受講料の20%(上限10万円)が支給されるケースもあります。
チャイルドマインダーの働き方
チャイルドマインダー資格を取得すると、さまざまな形で保育の仕事ができます。
自宅開業型
自宅の一室を保育スペースとして活用し、子どもを受け入れる形態です。通勤の必要がなく、自分のペースで働ける反面、設備の整備や営業活動も自分で行う必要があります。
訪問保育型
依頼者の自宅に出向いて保育を行う形態です。ベビーシッターに近い働き方で、保護者のニーズに合わせた柔軟なサービスを提供できます。訪問先での過ごし方や保護者とのやり取りのコツは、ベビーシッターの仕事を解説した本も参考になります。
企業内保育・施設内保育
企業の社内保育室や商業施設のキッズスペースなど、施設で少人数保育を担当するケースもあります。施設側が運営基盤を整えてくれるため、開業リスクなく少人数保育に携われるのが魅力です。
イベント保育・一時預かり
結婚式や研修会など、イベント会場での一時預かり保育を行うことも可能です。スポット的な仕事のため、フリーランスとして活動する方に向いています。
保育士がチャイルドマインダーを取得するメリット
- 集団保育と少人数保育の両方の知識・スキルが身につく
- フリーランスや自宅開業など、働き方の選択肢が広がる
- 保護者のニーズに合わせた柔軟なサービスが提供できる
- 転職時に「少人数保育の専門性」をアピールできる
- ライフステージに合わせて働き方を変えやすくなる

チャイルドマインダーに向いている人の特徴
チャイルドマインダーは誰でもなれる資格ですが、特に以下のような方に向いています。
- 一人ひとりの子どもとじっくり向き合いたい方
- 大人数の集団保育より少人数の環境が合っていると感じる方
- フリーランスや在宅ワーク的な働き方を希望する方
- 子育て経験を仕事に活かしたいと考えている方
- 保育園での勤務経験を持ちながら、違う形で保育に関わりたい方
一方で、安定した収入を重視する方や、同僚と協力しながら働きたい方には、保育園での勤務のほうが合っている場合もあります。
チャイルドマインダーとしての開業準備
自宅で開業する場合は、資格取得だけでなくいくつかの準備が必要です。
自治体への届出
自宅で子どもを預かるビジネスを始める場合、認可外保育施設として自治体への届出が必要になるケースがあります。届出の要否は自治体によって異なるため、事前に管轄の保育課に確認しましょう。
保険への加入
万が一の事故やケガに備えて、賠償責任保険への加入は欠かせません。認定団体によっては団体保険を用意しているところもあるため、加入手続きについて確認しておくと安心です。
保育スペースの整備
自宅を保育スペースとして使用する場合、安全対策が最優先です。誤飲防止や転倒防止のための環境整備、おもちゃや教材の準備、衛生管理の徹底などが求められます。保護者が安心して預けられる環境を整えましょう。おもちゃが口に入る大きさかどうかを確かめる誤飲チェッカーがあると、確認の目安になります。おもちゃは対象年齢や安全基準(STマーク等)もあわせて確認しましょう。
集客方法の確保
開業しても利用者がいなければ収入は得られません。地域の子育て支援センターとの連携、SNSやWebサイトでの情報発信、口コミの獲得など、集客のための活動も計画的に行う必要があります。チャイルドマインダーのマッチングサービスに登録するのも有効な方法です。
Q&Aコーナー
Q. チャイルドマインダーの年収はどれくらいですか?
働き方によって大きく異なります。自宅開業で数人の子どもを預かるケースでは年収200万円〜400万円程度、施設に所属して働く場合は保育士と同等かやや低い水準が一般的です。ただし、開業して集客に成功すれば保育士の年収を超えることも可能です。
Q. 保育士資格がなくても取得できますか?
チャイルドマインダー資格は保育士資格がなくても取得できます。子育て経験がある方や、保育に関心のある方なら受講できるケースがほとんどです。ただし、保育士資格を持っている方のほうが就業先の選択肢は広くなります。
Q. チャイルドマインダーだけで開業はできますか?
チャイルドマインダー資格を取得しただけでは認可保育施設の運営はできませんが、認可外の保育サービスとして自宅開業や訪問保育を行うことは可能です。自治体への届出が必要なケースもあるため、開業前に管轄の自治体に確認しましょう。
Q. 保育士を辞めてチャイルドマインダー一本で生活できますか?
チャイルドマインダー一本で安定した収入を得るには、ある程度の集客力とリピーターの確保が必要です。最初は保育士の仕事を続けながら副業として始め、軌道に乗ったら独立するという段階的なアプローチをおすすめします。いきなり保育士を辞めてしまうのはリスクが高いので、まずは週末や休日を使った活動から始めてみましょう。副業として収入が出ると確定申告が必要になる場合もあるので、仕組みを本で押さえておくと安心です。
まとめ
チャイルドマインダーは、少人数の子どもに丁寧な保育を提供したい方に向いている民間資格です。保育士資格と組み合わせることで、集団保育と個別保育の両方に対応できるプロフェッショナルとして活躍の場が広がります。
取得費用は通学で15万円〜40万円、通信で13万円〜26万円程度で、保育士資格保有者は割引が適用される場合もあります。「いつか自分のペースで保育の仕事がしたい」「フリーランスとして活動したい」と考えている方は、チャイルドマインダー資格の取得を検討してみてください。
チャイルドマインダーの働き方について詳しく知りたい方は、チャイルドマインダージャパン公式サイトが参考になります。また、保育士との違いについてはレバウェル保育士の解説記事も参考にしてみてください。

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