保育士の転職活動で、最初の関門となるのが履歴書です。保育は得意でも書類作成は苦手という方は少なくありません。しかし、履歴書の出来が面接に呼ばれるかどうかを左右するため、手を抜くわけにはいきません。
履歴書は「会ってみたい」と思わせるための名刺です。ポイントを押さえれば、誰でも好印象を与える履歴書を書くことができます。
この記事では、保育士が転職で使う履歴書の基本マナーから、各項目の具体的な書き方、職務経歴書の作成方法まで詳しく解説します。採用側の視点から「こういう履歴書は会ってみたくなる」というポイントもお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

履歴書の基本マナー
手書きかPC作成か
保育園の場合、手書きが好まれる傾向がまだ残っています。特に小規模な園や伝統的な保育園では「丁寧な字で書いてあるか」を見ているケースがあります。
一方、企業内保育やチェーン展開している園ではPC作成でもOKです。応募先の雰囲気がわからない場合は、手書きにしておけば間違いありません。転職エージェントに「この園は手書きとPC、どちらが良いですか?」と確認するのも有効です。
写真は笑顔で
保育士の面接写真は、柔らかい笑顔がベストです。ガチガチの証明写真よりも、少し口角を上げた自然な表情のほうが好印象です。子どもと接する仕事なので、親しみやすさが大切です。
できれば写真館でプロに撮影してもらうのがおすすめです。照明や角度を調整してくれるので、自然で清潔感のある写真に仕上がります。
丁寧に書く
字が上手でなくても問題ありません。大切なのは「丁寧に書こうとしている気持ち」が伝わるかどうかです。殴り書きや修正テープだらけの履歴書は、どれだけ内容が良くてもマイナス評価になります。書き間違えたら、面倒でも新しい用紙で書き直しましょう。

各項目の書き方ポイント
免許・資格欄
保育士資格と幼稚園教諭免許は必ず記載しましょう。その他に持っている資格も全て書いてください。保育に直接関係ないように見える資格でも、記載しておくとアピールになることがあります。
- 保育士資格
- 幼稚園教諭一種(または二種)免許状
- 普通自動車免許(送迎がある園では重要)
- 食育関連の資格(食育インストラクターなど)
- リトミック指導員
- 救命救急講習修了
- チャイルドマインダー
- 手話検定・英語関連の資格
職歴欄
保育園名、施設の種類(認可・認可外・企業内等)、担当していたクラスの年齢を書くと経験がひと目でわかります。
記載例:「社会福祉法人○○会 ○○保育園 入職(2歳児クラス担任)」のように、施設名と担当クラスをセットで書きましょう。退職理由は「一身上の都合により退職」と簡潔に記載すればOKです。
志望動機欄
採用側が最も注目する部分です。ここの内容で面接に呼ぶかどうかが決まると言っても過言ではありません。
- その園を選んだ具体的な理由を書く(「保育園で働きたい」では弱い)
- 自分の経験と園の特徴を結びつける
- 3〜5行で簡潔にまとめる(詳しくは面接で話す)
- 園のホームページや保育理念を事前にチェックして反映する
「貴園の異年齢交流を重視した保育方針に共感しています。これまで0〜2歳児の担任を3年間務めた経験を活かし、幅広い年齢の子どもたちの成長を見守りたいと考え志望いたしました」のように、具体性を持たせましょう。
特技・趣味欄
保育に活かせる特技があればアピールチャンスです。ピアノ、製作、絵本の読み聞かせ、手遊びなど、具体的に書きましょう。
「読書」だけではなく「絵本の読み聞かせが好きで、年間100冊以上の絵本を読んでいます」のように具体性を持たせると、グッと印象が良くなります。趣味でもスポーツや音楽など、保育に活かせるものを優先的に記載しましょう。

職務経歴書の書き方
保育園によっては履歴書だけでOKのところもありますが、職務経歴書を出すと「しっかりしている」と好印象につながります。特にキャリアが長い方や、複数の園を経験している方は作成しておくのがおすすめです。
書くべき内容
| 項目 | 記載のポイント |
|---|---|
| 在籍期間と担当クラス | 各園での勤務期間と担当した年齢クラスを時系列で記載 |
| 園の規模 | 定員数、クラス数を記載すると、どの程度の規模で経験を積んだかが伝わる |
| 具体的な業務内容 | 担任・副担任・フリーなどの役割を明記 |
| 行事の企画・運営実績 | 運動会、発表会などで担当した内容を具体的に記載 |
| 特に力を入れた取り組み | 食育、リトミック、異年齢保育など、自分のアピールポイント |
| リーダー・主任経験 | マネジメント経験がある場合は必ず記載 |
実績は具体的な数字で
「3歳児クラス20名の担任を2年間務めた」「運動会の全体プログラムを3年連続で企画した」「保護者向けおたよりを毎月作成していた」など、数字を入れると説得力が格段に増します。採用側は「この人はどのくらいの経験があるのか」を客観的に判断したいので、数字で伝えるのが効果的です。
よくあるNGパターン
- 空欄が多い:特技や本人希望欄が空白だとやる気が感じられない。何か書ける内容を探して埋める
- 誤字脱字:園の名前を間違えるのは致命的。提出前に必ずダブルチェックする
- 使い回し感:どの園にも送れる汎用的な内容は見透かされる。園ごとに志望動機をカスタマイズする
- 退職理由を長々と書く:ネガティブな内容は履歴書には書かない。面接で聞かれたら前向きに答える
- 修正テープの多用:書き間違えたら新しい用紙で書き直す

履歴書を魅力的にするコツ
転職エージェントに添削してもらう
保育士専門の転職エージェントに登録すると、履歴書の添削サービスを受けられることが多いです。プロの目線でチェックしてもらうことで、自分では気づかなかった改善点が見つかります。無料で利用できるので、積極的に活用しましょう。
園のホームページを徹底的にチェック
保育理念、保育目標、園のブログ、年間行事などを事前にチェックして、志望動機に反映させましょう。「貴園のホームページを拝見し、〇〇の取り組みに共感しました」と書けると、「この人はちゃんと調べてくれている」と好印象です。
写真は季節に合ったものを使う
夏に撮った写真を冬の面接で使うと違和感があります。3ヶ月以内に撮影した写真を使うのが基本です。
よくある質問(FAQ)
Q. 職務経歴書は必ず必要ですか?
A. 必須ではありませんが、提出すると好印象です。特に経験年数が長い方や、複数の園で働いた経験がある方は作成をおすすめします。履歴書だけでは伝えきれない経験やスキルをアピールできます。
Q. 短期間で辞めた園は職歴に書くべきですか?
A. 基本的には書きましょう。空白期間があると面接で質問されますし、社会保険の記録からわかってしまう場合もあります。短期離職の理由は前向きに説明できるよう準備しておけば問題ありません。
Q. パート経験しかない場合、どう書けばいいですか?
A. パートでも立派な経験です。担当していた業務内容、関わった年齢の子どもたち、身につけたスキルを具体的に記載しましょう。「フリー保育士として全クラスのサポートを行い、幅広い年齢の保育を経験しました」のように書けます。
Q. 資格取得予定のものは書いていいですか?
A. 「〇〇資格 取得予定」と記載してOKです。現在勉強中であることを伝えることで、向上心のアピールにもなります。
Q. 志望動機はどのくらいの分量がいいですか?
A. 3〜5行(150〜250字程度)が目安です。長すぎると読むのが大変ですし、短すぎるとやる気が伝わりません。簡潔に要点をまとめましょう。
まとめ:履歴書は「あなたの名刺」
- 履歴書は面接に呼んでもらうための「名刺」。丁寧に作り込む
- 手書きが無難。字の上手さより丁寧さが大切
- 写真は柔らかい笑顔で。プロに撮影してもらうとベスト
- 志望動機は園ごとにカスタマイズ。使い回しは見透かされる
- 職務経歴書は任意でも提出すると好印象
- 実績は具体的な数字を入れて説得力を高める
履歴書は面接の前に「あなたの代わり」に園長と対面する書類です。丁寧に書いて、自分の強みと園への想いを盛り込めば、きっと良い結果につながります。
厚生労働省の履歴書の様式例ページも参考にしてみてください。全国保育士会の公式サイトやWAM NETでも保育士のキャリア情報が得られるので、あわせてチェックしてください。


